昨日、2121に行って「倉俣史朗とエットレ・ソットサス展」を観てきました。
エットレ ソットサスの死後に制作された「カチナ」があったものの、作品量が多くないので2人の小規模の回顧展という感じで、目新しさはありません。
しかし倉俣作品から伝わる儚さにどんどん惹かれました。
不思議な事にそれらの素材がアクリルやエキスパンドメタルなどという工業製品だということです。
儚さというと、桜の花びらのような有機的で永遠でないものがイメージとしてありますが、倉俣作品にはそんな要素は一つもありませんでした。
朽ちていくイメージが無いのに儚さを感じてしまうなんて本当に不思議です。
なんとなく考えを書くと、倉俣史朗は瞬間を形にしていると思うんです。
Miss Blancheは高純度で透明なアクリルの中にバラが宙に舞う瞬間を、
How High The Moonはエキスパンドメタルで形づくることでその場に漂う空気を瞬間的に椅子の形に閉じ込めています。
今回は出展されていなかったですが、私が好きなオバQも瞬間を形にした例としてあげられます。
このように永遠とは対極にある「瞬間」という時間を形にすることで儚くも美しい姿が出来たのだと思います。
今回の展示空間はゆったりとしており、作品のまわりにふわっとした空気が漂っていたことも 作品の美しさ=儚さ を強める大きな要素だったと思います。
そしてこれは展覧会で一番気に入ったTwilight Timeという作品です。
この見た目の軽さ&美しさにビックリしました。
スカスカな脚にガラス天板の組み合わせは素晴らしいの一言。
そして仙台メディアテークの模型に似てますね。笑
この脚を見て、How High The Moonもそうですけど石上純也のビエンナーレの空気のボリュームを思い出しました。
ちなみにこの天板はガラスが三段コンタ状に重なっています。
こういったちいさな美意識の積み重ねを大事にしていきたいものです。
最後に当日いろいろ倉俣作品を解説してくださった2121のスタッフである大学時代の先輩に感謝します。




0 件のコメント:
コメントを投稿