2011年2月22日火曜日

賃貸住宅 その1

昨年の秋に行われた hakai という、これからの住宅を考えるシンポジウムで配布された、
賃貸住宅生活実態調査(発行:リクルート住宅総研)というものを読み終えました。
そこに書かれたデータや意見を参照しながら、要点と自分の感想を書いて頭の中を整理したいと思います。

1)日本の賃貸住宅は狭くて家賃が高い
全国の住宅で誘導居住面積水準を満たす割合は、持ち家が72%に対し、賃貸住宅は28%しかない。
また東京と世界の賃貸住宅の「平均面積/平均家賃」を比較してみると、
ロンドン 84.4㎡/11.8万円
パリ   71.4㎡/8.7万円
東京   42.3㎡/8.8万円
となり、東京の狭さが異常なほど目立つ。
家賃もパリとほぼ同じ値段なのにその60%ほどの面積しかない。
ロンドンは一見すると家賃が高いが、1㎡当たりの値段は1290円で、東京の2527円の半額という結果である。
(家賃の高いロンドンではシェア居住が浸透している)

この比較だけでも日本の賃貸住宅市場は質が低く、低レベルな住宅ではびこっている現状が明らかとなった。
もちろん天井高や採光・通風の良い窓の有無で生活の質はがらっと変わるので、面積が大きいから良いという訳ではない。
しかし狭いうえに高額な家賃の賃貸住宅に誰が住みたいと思うのだろうか。
パリでは19㎡未満の部屋は人の居住に適さないということで住宅として貸す事を禁止されているが、
東京では単身者用の最低居住面積(25㎡)を余裕で下回る20㎡未満に、なんと28%もの人が生活をしているのだ。

明らかに東京は海外の都市より賃貸住宅の質、すなわち生活の質が格段に劣るのである。

つづく